第67号 真理への瞑想 「あなた自身の源と結びつきなさい」


●真理への瞑想…・あなた自身の源と結びつきなさい
輝ける不滅のアートマン(真我)よ!最愛なる祝福された神の子よ!
あなたは精神修行者であり、ヨーギであり、解脱や真の自由を求める者であり、知識や智慧を希求する者です。あなたは真の自由を求めるために知識を求めています。至高の知識のみが真の自由を導きます。なぜなら束縛は無知の産物だからです。無知というネガティブな要素は、その反対のポジティブな要素である知識以外の手段では除くことも破壊することもできません。無知という闇は知識という光が射し込んだ瞬間に消え失せるのです。ほかに道はありません。それでは知識はどのようにして得られるのでしょうか。今、この部屋は余すところなく光で照らされています。しかし最初は全くの暗闇でした。電灯のスイッチが入れられたとき、電気という目に見えないエネル
ギーが電球に通じたのです。同じように土という源と関わっている限り植物は茂ります。植物を引き抜けば枯れて死んでしまいます。
  あなたも同様です。あなた自身の本性、あなた自身の源、すなわち内なる神としての絶対存在と繋がっていなければなりません。そのとき徐々にあなたの魂はほどかれ始め、成長し、発展し、進歩し、拡大し、そして至高体験を得るのです。
  しかし内なる神との繋がりがなく、あなた自身がそれから遠ざかっていたり、忘れていたり、自分自身をそれから切り離されたものと考えていたりするとき、あなたは不安と悲しみ、痛みと苦しみ、不幸と恐れに満たされます。進歩と実りの多い人生の秘訣は、あなたの源である内なる神、絶対存在と関係を保ち続けることなのです。もしあなたがそれを無視するなら、人生には何の進展もないでしょう。満足することなく、
失望と憂うつな状態が続くだけです。様々なネガティブな事件がいつも起こり、それが支配的になり、あなたをあっちこつちに引き摺り回し、あなたはそれに苦しめられます。救われ難い思いを感じ、泣き悲しみます。どうして良いか分からず、希望を失います。
  あなたは自分自身の源と繋がらなければなりません。自身に深く問いかけ、そして真理と非真理を識別して、または絶対存在への絶え間ない信仰を通して、または瞑想を通して、または全ての行為を絶対存在に捧げることを通して、その繋がりを保ってください。絶対存在との不通に終止符を打ってください。そのときあなたの悲しみや苦しみは後退し始め、ついには消えてなくなります。太陽が上れば闇は残りようがありません。苦しみ、痛み、無知、束縛、恐れ、困惑、不安、緊張は残りようがないのです。それらは消滅します。覚えておいて下さい。絶対存在との分離は人間の全ての不幸の根本原因であり、人間の抱える問題の中心です。それ自体が束縛の原因です。あなたの内なる神との永続的な合一の状態を目指して真剣に努力し、そして生老病死の悲しみを克服してください。シバナンダ大師は、高いレベルの信仰は最高の智慧と全く同じであるということを繰り返し述べています。なぜなら、信仰者が信仰するべき対象は、純粋な知識の本質としての絶対存在に他ならないからです。
 人が「シバ」と言うとき、それは最高の吉祥で、最高に神聖なものを表しています。「クリシュナ」というときは、全ての存在を強く魅きつけるものを表します。「ラーマ」はヨーギの心の状態を楽しむということを表しています。「ヴァスデヴァ」は普遍的な存在で、存在するどんなものの中にも宿っている存在を表します。
 信仰の道(バクチヨーガ)、知識の道(ジュニヤーナヨーガ)との間には本質的な違いありません。二つは最終的には同じ理解に至り、同じ至高経験に導かれるのです。信仰者が信仰によって絶対的な実在を悟るとき、直ちに信仰者は祝福され、至高の智慧と意識とが与えられます。逆に知識の道を歩む者も、最終的に高い信仰の境地に入るのです。
「我に強い信仰と崇拝を寄せる者に最高の智慧を授けよう(バガバッド・ギータ4.39)」
*シバ、クリシュナ、ラーマ、ヴァスデヴァはヒンズー教の神々(訳者註)
スワミ・チダナンダ大師講話集 Ponder these truth 訳 土江正司

第66号 アーユルヴェーダ「ドーシャの理解」

アーユルヴェーダ・・・ドーシャの理解
アーユルヴェーダを理解するうえで、ヴァータ(風)、ビッタ(火)、カパ(水)という自然界に働く三つの要素について詳しく知る必要があります。これらのドーシャ(ヴァータ、ビッタ、カパの総称、「増えやすいもの」という意味)は、人間の体質を決定していますが、季節や時間帯、また年齢に応じて様々に増減し、体調に影響を与えます。
 また、心を支配する要素も別に三つありまして、サットヴァ(善性)、ラジャス(動性)、タマス(暗性)と呼ばれています。これらを総称してグナと言います。ドーシャとグナは互いに関連して心身を支配しています。アーユルヴェーダの目的は、知恵と実践でもって逆にドーシャとグナを人間の支配下に置き、心身をコントロールすることと言えます。

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上図のように、西洋医学では健康と病気をはっきり区別しますが、中国医学では未病を定義して予防に努め、アーユルヴェーダでは末病をさらに細かく分類し、ドーシヤが蓄積して行く過程を七段階に分類しています。治療も予防も、ドーシャのバランスを取るという考え方において一致しているのです。

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これら三つのドーシャの動きを例をあげて説明してみましょう。例えば、骨の主成分は、カルシウムとリン、タンパク質ですが、それらを工場から買ってきて骨を作ろうとしてみます。それらを混合しただけでは固まってくれません。ここには構造を維持しようとするエネルギーが必要です。それがカパの働きです。では、仮にろう人形で人体模型を作ったとします。そのろう人形にご飯を食べさせてみてください。ご飯が胃の中に入っていきますが、それは、血や肉にはなりません。そこに必要なのが、変換エネルギーであるピッタなのです。ビッタによって、食物が血や肉に変換されます。しかし、今度は、そのように構造と変換エネルギーが働くことでできた人形において、体の各所に栄養を送り、代謝された老廃物を排泄しなければ、人形の体内にどんどんゴミが溜まってしまいます。体内における循環や運搬が必要なのです。また、筋肉を動かしたり言葉をしゃべるには伝達するための機能が必要となります。これらの循環、運搬、伝達の機能を運動エネルギーであるヴァータが担っているのです。このように三つドーシャがうまくバランスしていることが必要なのです。消耗や衰弱が強い時、難病などではドーシャが減りますが、通常はドーシャのアンバランスとは増えすぎることを意味しています。例えば、風のエネルギーであるヴァータが増加しますと、体が冷え性となり、皮膚や粘膜が乾燥してきます。体重も痩せてきます。火のエネルギーであるビッタが増加してアンバランスになりますと、皮膚が赤くなり炎症所見が起き易くなったり、目の異常、下痢などが起きてきます。水のエネルギーであるカパが増加してアンバランスになりますと、水や油の質が増加し、その結果、全身のだるさ、むくみ、たんや鼻水の増加や肥満が起きるのです。

『やさしいアーユルヴェーダ』上馬場和夫著より要約

第65号 アーユルヴェーダ 「食品とドーシャ」

アーユルヴェーダ.…食品とドーシャ
アーユルヴェーダでは、心身の健康にとって食事が大切であることを強調しています。例えば、甘い饅頭を一個食べてみてください。口の中に入れた時、どのように感じますか。ほっとしておいしいなと幸福感に包まれることでしょう。運動で疲れた人(ヴァータが増大している)の場合は元気も出てきます。しかし、満腹の時に食べたり、あるいはカパ体質の人では、甘い物を食べるとだるくなったり、鼻汁がでてきたりすることがあります。つまり甘い物を食べると、ヴァータ(風の要素)のバランスが良くなるのです。しかし、カパが増大している人では、甘い物がカバを増大させるため、重い性質や水が体内に増加して、だるさや鼻汁が出てくるのです。アーユルヴェーダでは食物に六つの味(甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味)と六つの,性質(重性、油性、熱性、軽性、乾性、冷性)があるといいます。その味や性質自体にドーシヤを変動させる作用があるのです。(表1)

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現代医学的にも、味(酸味、塩味)だけの作用により、血圧上昇と心拍数増加(ピッタの不安定化)がもたらされることが報告されています。食品の素材そのものの味や性質に加えて、調理法や味付け、熱いか冷めているかによっても味や性質が変わることも良く覚えておいてください。但し、これらには例外を示す食物があり、その代表が蜂蜜です。蜂蜜は甘いのですが、カパを増やしません。逆にカバを減らして、肥満を治療できるとまで言われています。但し、蜂蜜は加熱すると逆にアーマ(毒素)を溜めてしまう作用がありますので、注意してください。
 また、食物は心の性質にも影響します。つまりサットヴァ(善'性)を高める食物、ラジャス(動`性)を高める食物、タマス(暗性)を高める食物というふうに分類できるのです。激辛食品を食べ続けますとラジャスが高まり、攻撃的な性格になります。また、保存食品やレトルト食品はタマスを増やしますので、怠惰でやる気のない性格になるでしょう。逆に、活動的でない人にラジャスを増やす食物を与えますと、元気になります。けれどもアーユルヴェーダが最も勧めるのは、サットヴァを高める食物です。サットヴァを高める食物をとることで、ドーシヤのバランスがとれるのです。でんぷん類は、一般的に甘い食物ですのでサットヴァを増やすようです。肉類はラジャスを増やします。ですから肉食にすると攻撃的になるのです。油っこい食物や食べ残した古い食物はタマスを増やします。ただ、にんにくやたまねぎなどラジヤスを高める食品も、怠惰なタマス的な人には必要となります。食品の心への影響は次のようにまとめることができます。

サットヴァ(善性)を増やす食品=美味、油質、腹持ちが良い、食後に心地よさを感じる。
ラジャス(動'性)を増やす食品=過度に苦く、酸っぱく、塩辛く、刺激的で、油気がない。
タマス(暗性)を増やす食品=古く、味を失っているもの、食ぺ残しや、悪臭のあるもの。

第64号 アーユルヴェーダ 「ドーシャの乱れと病気」

アーユルヴェーダ…ドーシャの乱れと病気
ドーシヤの乱れからどのようにして病気が起きるかについて説明しておきましょう。体内で起きている種々の出来事は、木を燃やして飯ごう炊飯をしている状況に例えることができます。
ヴァータは、吹<風(風のエネルギー)に相当します。
燃える火が、ピツタ(火のエネルギー)に相当します。
飯ごうの中の米が、カバ(水のエネルギー)に相当します。

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ドーシャのバランスが取れている状態とは、ちょうどよい風(ヴァータ)が吹いて、ちょうどよい火(ピッタ)が起き、ちょうどよい量の米(カパ)を炊いている状況に当たります。例えば、風が強くなりすぎたとします。これはヴァータが増大したことに相当します。そうしますと、日が強く当たって焦げる場所と当たらないで生煮えのところができてしまいます。ビックが増悪して火が強くなりすぎますと、米は全部焦げてしまいます。米の分量が多過ぎて(カバの増悪)もおいしいご飯は炊けません。

このように、どれかのドーシヤが何かの原因で増え過ぎると、おいしいご飯は炊けず、それを消化する力(アグニ)が乱れてしまいます。アグニが乱れると末梢化物ができます。この末梢化物をアーマと呼んでいますが、アーマは栄養にならないばかりか、粘着性が高いため吸収されて体内の通路(スロータス)を閉塞させてしまうのです。そして種々の病気や老化を起こす元凶となるのです。逆にアグニがちょうどよいと、消化吸収がしっかりなされ、活力源(オージヤス)が増えることになります。そして健康が維持・増進されます。
 以上のようにアーユルヴェーダでは、ドーシヤのアンバランスからアグニが順調でなくなってアーマが溜まり、病気や老化が起こると考えます。例えば、風のエネルギーであるヴァータが乱れたとしますと、ヴァータの持つ、乾性、軽性、冷性が増加します。そのため手足が冷たくなり、皮膚や髪が乾燥し、痛みなどがでてきます。そしてアーマの蓄積も加わって、もともとヴァータの多い臓器である循環器系の障害や神経系の障害が起きるのです。
次に、火のエネルギーであるピッタが増加しますと、火の持つ熱性、鋭性、強烈性が体内に増加します。体内の熱が高くなり、炎症や発赤が起きやすくなります。消化する力も強くなりすぎてしまいます。そうして自分の体を消化してしまった病気が胃・十二指腸潰瘍なのです。その他のピッタが元々多い臓器である肝臓や脾臓にも病気が起きてきます。
 水のエネルギーであるカバが増加しますと、体内に冷性、重性、油性、遅性などが増加してきます。またこれは結合エネルギーが多くなるわけですので、物質が体内に有り余ってきます。そのため余分な組織やアーマも増えます。特に脂肪組織やアーマが増加すると肥満症や糖尿病、腫瘤性疾患になるのです。またカパが元々多い喉、鼻、胸にも病気が起きてきます。

第63号 アーユルヴェーダ 「季節の過ごし方 1,2,3月」

アーユルヴェーダ….季節の過し方、1,2,3月

1月

アーユルヴェーダでは、味とか匂いが、ドーシャ(体質.気質)に影響して生体に大きな作用を及ぼすことを教えています。食物ばかりでなく、薬や金属なども六味(甘、酸、塩、辛、苦、渋)を持っていると言います。そして体質や病気の種類、季節の違いにより、どのような味の食物を取ればよいかを指示しているのです。原則として、食事毎に六種類の味の食物を取るのがよいと言われています。しかし、季節や体質により、食物のバランスが異なります。季節に適した取り方の例としては、一月のようなヴァータ(風の要素)の旺盛な季節には、ヴァータを鎮静化する甘、酸、塩の味の食物を多めに取るのがよいでしょう。また、ヴァータの属性である乾、粗、軽の質を和らげるために、その反対の'性質を持つ油性の食物がよいのです。但し苦味の食物は通路(スロータスー目に見えない養分の通り道、これが詰まると体調を崩す)を浄化するので、体質や季節にかかわらず適度にとることを心がけるとよいでしょう。
 冬の季節に合った食品と言えばラーメンです。北海道のサッポロラーメンが美味しいのも、また木枯しの吹<冬の夜には無性に醤油ラーメンや塩ラーメンがほしくなるのも、アーユルヴェーダの理論にかなったことです。但し、ラーメンの中の塩分や油は多すぎて、カバ(水の要素)を増悪させることになりますので注意してください。その蓄積したカパが春になって溶け出し、鼻炎を起こすのです。特に消化力の落ちる真夜中にラーメンをすするというのは、アーマを蓄積させて病気の基になるので控えましょう。

2月

 2月は、大寒です。もっとも寒い季節はヴァータ(風の要素)とカパを増大させます。雪が降ればカパが増大し、シーンと凍てつけばヴァータが増加することでしょう。しかし消化の火であるアグニは強くなります。とにかく、この季節には温かい物をとることです。ついつい、こたつで縮こまってしまいますが、体が硬くなるばかりです。昼間になって暖かくなれば運動も充分行
なうとよいでしょう。但し朝方の寒い内は、無理に運動しないようにしてください。食事では、ラーメンのような消化に重い食物でも、消化の力が強くなる季節です。カパを増加させないためには、あたたかいソバに七味をきかせてとる方がよいでしょう。但し、夜遅くに食べるのだけは控えましょう。

3月

三月になると、梅の花も咲き始め、二月の乾いた厳しい冷たさに、湿っぽさが加わってきます。気温もじょじょに緩みはじめてきます。冬の間乾いた寒さで固まっていた体内のカパが溶け始めてくるのです。花粉症も出現してきますが、この花粉症はカバの溶ける典型的な症状です。現代医学では外から花粉が作用することで症状が出現すると考え、花粉を寄せ付けない特殊眼鏡やマスクなどが売られています。これは患者自身にも責任があるのに、花粉に責任転嫁しているのです。病気の場合ばかりではなく、生き方全体においても現代人は同様な考え方をする傾向があります。しかし、東洋の哲学や手法を知ることにより、病気に対する考えばかりではなく、人生観全てがかわってくる人が多いようです。そのように、病気というより病人の人生全体に対して示唆を与えてくれる医学はホリステイック(全体)医学と呼んでもよいでしょう。まさにアーユルヴェーダやヨーガはホリステイック医学なのです。西洋から起こってきたホリステイック医学ではありますが、その原型は実は東洋医学であるヨーガやアーユルヴェーダ、漢方、気功にあるのではないでしょうか。いまになってやっと、人々はそのことに気づき始めました。
『やさしいアーユルヴェーダ』上馬場和夫箸より

第62号 アーユルヴェーダ 「ドーシャの属性と症状」

アーユルヴェーダ…・ドーシャの属性と症状

この表によって、どのドーシャ(性質)がもっともあなたに優性であるかを判定してください。ドーシャ別の生活法については次回掲載します。

ヴァータ〔風) 薬となる食物はごま油

《属性》

軽性:軽く細い体格

冷性:手足の冷え、寒さを嫌う。
移動性:空腹と消化が不規則。浅く途絶えがちな睡眠。不眠。
敏捷性:覚えるのは速いが忘れるのも速い。恐い夢。落ち着かない。衝動的行動。素早く散漫な考え。はやロ。素早い動作。
変化:興奮しやすい。心身のエネルギーが一気に出る。気分が変わりやすい。疲れやすい。頑張りすぎる傾向。悩みが多い。
乾性:乾燥した皮膚や髭。生気の無い目。多くない汗。皮膚がひび割れたりしやすい。乾癬や湿疹。
粗性:がさがさした皮膚、ぱさぽさした髪。
肯定的特徴想像力、感受性、自発性、快活さ、心の高揚

《症状》

痛み、痙れん、寒気、震え

《病気》
不眠症、慢性の便秘、下痢、神経性の胃腸障害、不安、うつ病、筋肉の痙れんや痛み、慢性の痛み、月経前緊張症候群、高血圧、関節炎

ピッタ(火) 薬となる食物はギー(精製バター)

○基本的な性質は「強烈さ」
熱性:日差しや熱い気候を嫌う。暖かく赤みのある皮膚。そばかす。ぼくろ。赤味がかった頭髪。若白髪、若禿げ。炎症。強い空腹感と喉の乾き。強い消化力。食事を抜かせない。胃、肝臓、腸などが熱い感じ。ストレスを受けると怒り苛立ちの傾向。

鋭性:批判的な心や鋭い言葉。チャレンジ精神。進取の気性。鋭い知性。正確ではっきりした言葉。

湿性:多量の汗。

酸性:体の過剰な酸性や胃酸の過剰な分泌。ロ臭、体臭、尿や便の悪臭。

肯定的特徴知性、自信、進取の気性、喜び

《症状》
炎症、熱、過度の空腹と渇き、胸焼け、皮膚の紅潮

《病気》
発疹、ニキビ、胃潰瘍、若禿げ、若白髪、視力の減退、敵意、自己批判、ストレス性の心臓発作など

カパ(水) 薬となる食物ははち蜜

○基本的な性質は「くつろぎ」

重性:体の重さ、消化の重さ、感情の沈んだ憂うつな重さなど、重い感じの不調。重く長い睡眠。肥満の傾向。強くない空腹感。

安定性:頑丈で力強い体格。優れた体力と持久力。覚えるのは遅いが記憶の保持は優れている。所有欲が強く、自己満足する傾向。

柔性:柔らかい皮膚や髪。柔らかい動作、眼差し。問題に対する柔軟な対処。愛情にあふれ、寛大で情け深い性格。

緩慢性:ゆっくりした流れるような動きや口調。慎重な考え。穏や
かでくつろいだ性格、すぐには怒らない。
甘味性:甘味を過剰に取ると、肥満や糖尿病になりやすい。
冷性:冷たい滑らかな厚い色白の皮膚。油性。
肯定的特徴:落ち着き、思いやり、勇気、寛大さ、愛情。

《症状》
うっ滞、粘液の排出、重い感じ、水分貯留、無気力、過度の睡眠、朝の脱力感
《病気》
肥満、鼻詰まり、せき、風邪、関節の痛み、ぜん息やアレルギー、うつ病、糖尿病、高コレステロール血症など

第61号 真理への瞑想「真理の実践」

●真理への瞑想…真理の実践
栄光なる不滅のアートマン(真我)よ!
 精神修行に励み、悲しみを超え、自由、解脱への道を歩む者よ。ヨーギ(ヨーガを修する者)とは自分自身の好みや性格、無意識中の記憶や印象に応じて、数あるヨーガの修行方法の中の幾つかを選んで、精神改革の道を進む人です。
 ウパニシャッドヴェーダの奥義)は宇宙に一時的に出現したに過ぎない存在、滅び行く運命にある不安定な存在(アサット)と対比して、唯一の本質、真の原理としての絶対存在(サット)について解き明かしました。絶対存在とはつまり宇宙的な意識であり、大いなる光であり、大いなる真理で
あり、私たちの求める究極のゴールでもあります。真理とは絶対存在であると同時に、絶対存在へ導かれる道でもあります。つまり真理に従って修行することで真理に覚醒するのです。真理に従った修行には超常的な神の力が付与され、修行そのものが成功に導かれるような精神的な力が養われます。祖国の偉大な父、マハトマ・ガンジーはこの精神的な力こそが彼が取り組んだ全ての仕事の成功の秘密であり、力の源であったということを、後に打ち明けています。真理に従った修行が彼に全てのものに打ち勝つ精神的力を与、彼自身の内にある悪い予感や、俗的なものを克服して行きました。彼は自らを克服する力を獲得し、またどんな嘘や偽りに対しても負けない力を獲得したのです。彼は自らの見解を次の言葉で宣言しました。
「神は真理である。しかし私に言わせれば真理が神なのである。」
真理にぴったりくっついて離れないことで神に至ることができるのです。
真理の実践そのものが修行です。真理は修行が進歩的であるための道です。真理は修行を活気付け、力動的にする内なる力です。そして真理は到達し得る究極のゴールです。真理を崇拝する者が祝福や究極の真理を受け損じることは決してありません。真理を崇拝し、実践するときに、とたえ様々な試
練や困難に直面したとしても、常に真理からの導きがあるのです。
 実際、真理は既に真の自己、本質的な存在として、あなたの中に祀られています。実際はあなたはこの地上の存在ではありません。またあなたは思考、情動、情緒、記憶、想像、空想、欲望、熱望、たくらみ、好き嫌いなどを束ねただけの存在ではないのです。それらはあなたの真理を構成してはい
ません。真理としてのあなたは肉体的、生物的な存在とは異なります。思考や情動を束ねた存在とも異なります。質問したり、疑ったり、理由づけしたり、論理的な作業を行なう心理学的に構成された存在とも異なります。真理としてのあなたは絶対存在であり、大いなる光なのです。あなたは決して
薄れることのない、不変で、永遠に輝き続ける真理の一部なのです。ですから、あなた自身がこの真理に気づいていること、またその気づきの中に生活することが、すなわち真理の遵守であり、真理の崇拝なのです。あなたの思考や行動や言葉の中に、また生活の様々な側面に、自らの神性を表現することが真理を成就することに他なりません。あなたの人生が、そのままあなたの神性を表現するものであってください。それが真の意味の真理の実践です。親愛なるスワミシバナンダ大師は現代人のために次のように書き残しま
した。
「あなたは神性である。神性でありなさい。神性さを感じ、神性を語り、
神性を生き、神性なる人生を送りなさい。」
これこそが真理の実践であり、祝福の鍵であり、至高の輝きと解脱です。
スワミ・チダナンダ大師講話集 Ponder These Truth 訳 土江正司