第23号 「呼吸法④ ナーディ・ショーダン」
- ヨーガ……呼吸法④ ナーディ・ショーダン
ナーディは気の流れる管、つまり気道を意味し、ショーダンは浄化を意味します。気道浄化呼吸法ということです。
図のように右手を鼻に構え、親指で右の鼻の穴をふさいで、左の穴からできるだけゆっくり吸います。そして薬指で左の鼻の穴をふさいで、右の穴からできるだけゆっくり吐きます。これを往復3~10回繰り返します。吐く息は吸う息の二倍以上の時間を掛けるようにします。
気道浄化のためには呼吸にあわせて気を体中に巡らせる必要があります。図のように吸いながら背骨に気を通し、吐きながら身体の左右半身の気道を浄化するよう、意識を巡らせてください。集中力、欲望を抑える忍耐力が得られ、気道が浄化されることで健康な体になります。
瞑想ノート……マントラ=呼びかけ
本を読んだり、話を聞いたり、あるいは瞑想して深く考えているときに、ふと気づかされることがあります。気づきによって心にひっかかっていたものが流され、気持ちが晴れたりします。しかし時がたつとまた同じことが心にひっかかってしまうのもよくあることです。迷いや煩悩が完全に払拭されることはありません。机の上をきれいに拭いても、翌朝にはまたほこりが積もっています。
晴れ渡り、爽やかな風が吹いているような気分を、誰でもときどき経験します。しかしそれは全く天候に左右されているようなもので、なかなか自由にそういう気分になれるものではありません。
ところが効果的にマントラ(真言)を唱えると迷いが一瞬にして拭い去られ、心が晴れ渡ってきます。マントラとは自分に対する呼びかけです。同時に世の中に対する呼びかけであり、宇宙に対する呼びかけです。だからマントラの言葉は慎重に選ばれなければなりません。以下に例を示します。
「感謝」、「微笑み」、「爽やか」、「あるがまま」「幸せ」、「平和」、「健康」、「幸せ」、
「元気」、「愛情」、「南無阿弥陀仏」、「南無妙法蓮華経」、「アーメン」、「オーム・シャンティ」、
「ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそーぎゃーてーぼーでぃそわか」etc
これらの言葉をマントラとして瞑想中や比較的気持ちが落ち着いているときに、心の中で唱え続けます。心の奥底までマントラが染みわたって行くような唱え方ができるようであれば、すぐにマントラのすばらしさに気づくことでしょう。例えば「健康」と唱えるとき、「健康になりますように」と唱えるのではだめです。一心に「健康」と唱えるときに「健康」とあなた自身が一つになります。同様に「感謝」とあなた自身が一つになります。そういう唱え方を心掛けてください。
言葉は意味であると同時に響きでもあります。できれば響きの良い言葉を選んだ方が、心の奥底へ到達しやすく、言葉と自分が一つになりやすいのです。今のあなたにとって最も響きが良く、そして最も意味のある言葉を探して、それを唱えてください。少なくとも一ヶ月は同じ言葉を唱え続けるようにします。
1995年11月15日