第8回 「吉祥のアーサナ、牛の顔のアーサナ」

●ヨーガ……吉祥のアーサナ、牛の顔のアーサナ
 
<吉祥のアーサナ

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骨盤や腹部臓器、背中に大量の血液が送られるので腎臓、前立腺、膀胱などの働きを活性化します。特に泌尿器系の病気に良く効果を現します。坐骨神経痛やヘルニア、痔、睾丸の痛みにも効果があります。また女性の場合、生理痛や生理不順を解消し、妊婦が毎日行えば安産が期待できます。
 
<牛の顔のアーサナ

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骨盤に刺激を与え、下腹部臓器の血行を良くします。股関節の柔軟性を高めるので、妊婦の場合、吉祥のアーサナと組み合わせて行うと良いでしょう。姿勢が正され、おなかでゆったり呼吸できるので自然に精神統一に導かれます。
 
アーユルヴェーダ……食事法② 腹八分目
 規則正しく食べることに続いて大事なのは、食事の量です。胃袋の三分の一を固形物で、三分の一を液体で、残り三分の一は胃が蠕動運動をしやすいようにあけておくべきであるとアーユルヴェーダでは勧めます。実際、腹八分目くらいが最も胃の蠕動が強く起こることが確かめられています。あまり少量でも、食べ過ぎでも蠕動は起こりにくいのです。腹八分は、空腹とのどの渇きが納まり、五感が満足し、行動やおしゃべりがスムーズにできるなどで判断します。やせるために量を減らし、食事に不満足感が残るようでは健康的とは言えません。
 食べ過ぎると太るのはもちろんですが、体に未消化物(アーマ)が蓄積し、病気の原因となります。消化が完全に行われることをアーユルヴェーダでは最も重要視しているのです。アーユルヴェーダによる消化の概念は、第一段階として消化管での消化、第二段階は肝臓での消化(代謝)、第三段階は栄養分が血流に乗って運ばれた先での消化(代謝)です。さまざまな理由によりそれぞれの段階で未消化物が発生し、体の循環経路(スロータス)を詰まらせてしまい、諸々の病気が発生するのです。
 
●瞑想ノート……瞑想後の爽やかさが最も大事
 たとえば瞑想中こっくりこっくり眠くなったり、あるいは雑念に満たされてちっとも集中できなかったとしてもそれはそれで瞑想です。どうしても私たちは瞑想中の心のあり方とか、瞑想の方法にこだわってしまいますが、むしろ大事なのは瞑想後、立ち上がって一歩踏み出したときに爽やかであり、優しさや力強さに満ちているかどうかということです。なぜなら瞑想のために瞑想を行うのではなく、より気持ちよく生活するための瞑想だからです。
 もし瞑想中に光を見なければならないとか、天にも昇るような気持ちよさを体験しなければならないとかいうことになりますと瞑想は失敗の連続でしょう。そのうちに嫌になってしまいます。ただ目をつむり、眠くなろうと、雑念だらけであろうと、あるがまま。そしてあるがままの自分に気づくこと。
 方法にこだわることによって私たちは自らの心を拘束してしまいます。それでは本末転倒です。日常のこうでなければならない、ああでなければならないという思いからすべて解放され、心の自然な流れに従うときに私たちは自由のなんたるかを知るでしょう。最も大切なのは毎日決まった時間に瞑想をすること。それを継続することに他なりません。そして瞑想を継続することによってその人なりの方法が自然に確立されるのです。
 
1995年6月10日発行