第56号 フォーカシング

  • フォーカシング

フォーカシングとは自分の中の本当の気持ちに気づくための一種の瞑想法です。心の内側から浮かび上がってくることに耳を傾け、その一つ一つを図のように入れ物に入れて行きます。中には収まりきらずに、口から溢れたり、全く入れ物には入らず、そのイメージが直接現れたりもします。

 最初は上手な聞き手(リスナー)の誘導を受けながら、気持ちを探って行きますが、なれるに従い、自分一人でもできるようになります。

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気になることをいろいろと思い浮かべ、それを入れ物に収める試みをした後、最も気掛かりなことに焦点を当てて見ます。そのことを思ったとき、胸やおなかの辺りに何を感じるでしょうか。「棘の生えた鉄の玉」を感じるかも知れませんし、「煙を出している壺」のイメージがそのまま実感としてあるかも知れません。そうした体の中にある感じ(フェルトセンス)を、胸の前あたりまで引っぱり出すことで、自分とのあいだに間を置きます。

 それをじっと見つめたり、それが自分の中のどんな気持ちを表しているのか尋ねてみたりします。するといろいろな気づきが生じながら、フェルトセンスが変化(シフト)して行き、終いにはごく軽い感じになって、体も心もすっきりします。

1996年11月23日