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第22号 「呼吸法③ 完全呼吸」

  • ヨーガ……呼吸法③ 完全呼吸

 肺を100%使う呼吸を完全呼吸といいます。普段の呼吸では肺は10~20%程度しか使われていません。使われなければ衰えて行くのが運命で、呼吸能力は年齢と共に衰え、身体に充分な酸素を供給できなくなり、老化が進行します。特に酸素を多く消費する脳は目立って老化します。完全呼吸は肺の衰えを防ぎ、また充分な酸素を全身に供給することで、全細胞をリフレッシュします。激しい運動でも心肺は鍛えられますが、酸素の消費も激しくなり、充分な酸素を全身に供給することができず返って身体は疲れてしまいます。

 完全呼吸はまず息を深く吐いた状態から始めます。コップに水を満たして行くように、腹の下の方からゆっくり空気を満たして行き、最後は肩まで空気を入れます。胴体全部を肺であるかのようにイメージしてください。腹の下の方から空気を満たすには腹式呼吸がうまくできる必要があります。胸一杯吸うだけでは肺を50%ほどしか使うことにはなりません。

 吐くときは風船がしぼんで行くようなイメージで、鼻の奥で「シュー」という音をさせながら、吸うときの2倍の時間を掛けて吐きます。楽に姿勢を正して座り、微動もしないようにします。

 

  • 瞑想ノート……あるがまま-絶対的肯定

 贅沢がしたい、遊びたい、おいしいものを腹一杯食べたい、など人間の煩悩は限りないのですが、煩悩は人間の生きるエネルギーにもなっています。修行によって煩悩を断てと言われると、生きるエネルギーまでなくなってしまうようで精神生活になかなか踏み込めない人も多いことでしょう。しかし煩悩から来るエネルギーは人を間違った方向へ駆り立てやすく、その結果は本人にも周囲にも悲惨です。煩悩が人間を苦しめることに間違いはありません。

 一方で、「あるがままでいいのですよ」「そのままのあなたがすばらしいのですよ」という教えがあります。「人間に煩悩はつきもの、そのままでいいじゃないですか。それも仏のはからいですよ」というのです。これほど人を安心させる言葉もないでしょう。そうやって全てを肯定して行くことでも私たちは心の自由を得ます。

 修行によって煩悩の根を断とうとすること、それと「全てをありのままに受け入れる」ということとはずい分矛盾しているように聞こえます。しかしすべてを肯定して行きますと、人間の中のうっ屈したものが次第に解放されていって、不思議に煩悩が弱まってくるものです。他人の煩悩もそのまま肯定するわけですから、他人を責める気持ちもなくなり、心が穏やかになって行きます。 「あるがまま」の本意は「全てをありのままに受け入れる」ということです。ところが人間は自分の容姿や性格、そして親、夫、妻、子供、近所の人、自分を取り巻く環境をありのままに受け入れることができないから苦しむのです。つい、周囲を批判的に眺めたり、自分自身を否定したりしてはいないでしょうか。そして、こんなことではいけないとまた自分を責めたりしてはいないでしょうか。そういうときに「そのままで良いのですよ」という言葉が生きて来ます。

 もし、自分を変えようと思うなら、自分を絶対的に肯定することです。もし、相手を変えようと思うなら、相手を絶対的に肯定することです。変化の兆しは肯定からやってきます。

1995年11月7日