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第19回 「呼吸法①」

  • ヨーガ……呼吸法①

 呼吸法のことをプラーナヤーマと言います。プラーナ(気)をヤーマ(調整)するという意味です。「調気法」という人もいます。数十種類の呼吸法がありますが、教室で行っている数種類の呼吸法を覚えられれば充分でしょう。毎日ご自宅で実践されることを勧めますが、難しい場合は、何かの折りに「呼吸を意識する」だけでも大変な効果があります。一日に数回、ほんの十秒間で結構ですから呼吸を意識する時間を持ち、呼吸をしている自分を確認してください。

<座り方>

 できるだけ姿勢を正して座ります。その方が気の通りが良いのです。楽に姿勢を正せるような座り方を工夫してください。例えば足よりお尻を高くして座るとか、いすに浅く掛ける、正座するなどです。もちろん立ったままでも可能です。

<鼻か口か>

 吸うときは必ず鼻からです。(ただし暑いときに身体を冷やす目的で口から吸う「シートカーリー」という呼吸法もあります。)吐くときも基本的には鼻から吐きます。息を長く吐く場合に、鼻からうまく吐けない人は、口をすぼめて吐いても良いです。次第に鼻からでも長く吐けるようになります。

<集中とリラックス>

 目を閉じて気持ちを集中して行います。それでいながら緊張しないでいることが大切です。呼吸法においては集中とリラックスの両方が自然に実践できます。何かをしている最中でも、ふっと動きを止め、呼吸に意識を向けるだけで集中とリラックスがやってきます。そういう習慣を身につけてください。 

  • 瞑想ノート……風のように爽やかに、火のように情熱的に、水のように穏やかに

 私たちの心身は風、火、水という3つの要素から成り立っているとインド的には考えられています。その3つの要素の割合によって体質や性格が決定されるのです。例えば風の要素は寒い、乾いている、移り変わりやすい、爽やか、など風に象徴されるさまざまな性質を主体に反映させます。火は熱い、旺盛な、情熱的な、などの性質、水は冷たい、ふくよか、穏やか、慈悲深いなどの性質です。

 3つの性質の割合は生まれつきのもので変化しません。生まれつき水の要素が強く風の要素が弱い人は生涯その割合を維持します。だとすれば私たちが努力するべきは、3つの要素それぞれが持つの良い面を引き出してくることです。つまり「風のように爽やかであり、火のように情熱的であり、水のように穏やかで、慈悲深い」という状態を目指すべきです。

 ヨーガの大目標は解脱することにありますが、解脱という言葉は曖昧でとらえどころがありません。どういう状態が解脱なのか、解脱に達しない人には想像もつきません。これを悪用して「我こそは最終解脱者である」と勝手に宣言して民衆を惑わす愚者も歴史的には大勢います。ヨーガの大目標が解脱であることには代わりはありませんが、この言葉にとらわれていては失敗を犯します。むしろ自分の中に常に爽やかさと、情熱と、穏やかさを感じていること、そして周囲の人も自分に対して爽やかさと、情熱と、穏やかさと、慈悲深さを感じること、これが大事です。この方向へ向かって努力してください。

 中でも爽やかさは最も重要です。風の要素は他の要素の主導的立場にあるからです。身体と心の中をいつも爽やかな風が吹いている感触を味わってください。この感触を維持できるように生活し、瞑想してください。

1995年10月17日